先日来有線で、樋口一葉の「丈比べ」を朗読している。
確か、遠い昔に読んだ覚えはあるのだが、
今、改めて聞いてみると、その文章の華麗さ、まるで、音や匂いまで伝わって来るようで、
「これが『20歳そこそこで書いたものとは!』と、
学生時代にはまったく考えもしなかったようなことに気がつく。
また、こうした文語体の文章の格調の高さをしみじみ感じる。
同時に、口語体に比べて力強さと言う点でも勝っていることは明らかだ。
いつ頃からこうした文体が影を潜めてしまったのであろうか……
そう言えば、「戦艦大和の最期」を書いた作者(乗船時中尉)が、
その後書きで「臨場感を増すために文語体で書いた」と言われていたことを思い出す。
確かに書くも読むも難しいとは思うが遺物にして欲しくない文体である。
本を売るということからすれば、出版社も作家もまず間違いなく手掛けはしないだろうが……
ならば良し、いつの日かこんな文語体の小説を書いてみたいと大それた考えまで浮かぶ。
しかし、所詮はまさに夢のまた夢、妄想の域である
一葉は惜しい事に、24才の若さで、この世を去ってしまったが、
今度は、お札になって戻って来るらしいから、
是非とも傍に置いて、大事にしてあげたいものである。
もっとも、その札はすぐに出て行ってしまう額ではあるのだが…… |